ヴァイオリン習得のための
『最小努力の法則』 vs 『矮小努力の選択』
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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
是非とも
この記事を最後までお読みいただき、その後でもう一度、自らに
「あなたは本当にヴァイオリンの正しい練習ができていますか?」と
問いかけてみてください。
この記事が
現在のヴァイオリンのレッスンについて一考の機会となれば幸いです。
ということで
『最小努力の法則』のつもりが
『矮小努力の選択』になってしまっている勘違いとは一体何なのでしょうか。
まず
『最小努力の法則』とは
目標を達成する方法が複数ある場合、最も少ない努力で済む方法を選ぶ傾向を指し、
これは、無駄な労力を避けて効率的に目的を達成しようとする合理的な行動ですが
『矮小努力の選択』とは私の造語で
目標の質や価値を犠牲にして負担を減らすことだけを優先する傾向を指し、
これは、困難を避けて真の達成でなく手を抜いてその場を凌ぐ怠惰な行動です。
ヴァイオリンには音程を正確に取るための響くポイントの[壺]があることを知り
一音いちおんゆっくりと弾きながら
一音いちおんじっくりと耳を傾けて、響きの凹凸の中から[壺]を見つけるという
ヴァイオリン本来の奏法に基づき、正しい音程を追求することです。
すると
そのような練習は一見手間と時間がかかるように思えるかもしれませんが
どのような曲をどのような速度で弾く際にもそうする…というよりも
どのような曲をどのような速度で弾いてもそうしかできなくなってしまい
ヴァイオリンを正しい音程で弾けるというよりも正しい音程でしか弾けなくなり
あとは音楽表現に専念することができるので、実は最も効率的な練習方法なのです。
しかも
ヴァイオリンを正しい音程で弾くことを探求する癖が習得できると、演奏に
なかでも
演奏する音数が多い上級者や専門家であるほど、響くポイントの[壺]を学ぶことの
演奏への影響は計り知れないものがあります。
だからこそ
私が知ることが出来た世界的なヴァイオリニスト達の練習方法をみても
その全員が、どのような時も、どのような曲においても、まずは
ゆぅ~~~っくりと、一音いちおん「拍節の[壺]」に向かって音を並べつつ
ユゥ~~~ックリと、一音いちおん「音程の[壺]」を確認しながら弾くという
拍節においても音程においても常に[壺](つぼ ツボ)を意識し目指し確認し
ながら復習っていたのです。
(「拍節の[壺]」については
「音程の[壺]」については
『ヴァイオリンの「弦の寿命」と「正しい音程」“線香花火音感”の正体』
をご覧ください)
そして
世界的名奏者の方々のみならず、私たちもそのように復習うことで
『ヴァイオリン学習者が確実かつ急速に上達する指導を巡る3つの思い』にも
書いたように、「正しい音程」の「美しい音」で「朗々と響く」ようになるので
楽器もどんどん、どんどん、よく鳴るようになり
一方
ヴァイオリンの音程を正確に取るのは必要としつつも蔑ろにしてしまうことです。
ヴァイオリンの練習では、まずは曲を弾き通せることが先決だとして
ヴァイオリンの正しい音程は後から考えればいいとすることです。
すると
一音いちおんじっくりと耳を傾けることもなく弾き通してしまっていると
どのような曲をどのような速度で弾く際にもそうする…というよりも
どのような曲をどのような速度で弾いてもそうしかできなくなってしまい
ヴァイオリンを正しい音程で弾こうとしても、もはや曖昧な音程でしか
弾き通せなくなってしまうという、実は最も破滅的な練習方法なのです。
しかも
ヴァイオリンを正しい音程で弾くことを蔑ろにする癖がついてしまっていることで
けれども
『驚きの事実!市中で教えられているヴァイオリンの音程の取り方は
全く間違っている?!』などの記事にも書いたように
短歌、詩、随筆、小説…などの何れにおいても文学として書くためには
日本語ならではの文字の書き方がわからなければ話にならないように
小品、ソナタ、協奏曲…などの何れにおいても音楽として弾くためには
さらに
誰もが必ず上達する方法を、誰もが必ず見落としている!?』で書いたように
正しい音程は、響くポイントの[壺]を認識し選択する手法を学ぶことであり
綺麗な音 は、響くポイントの[壺]で奏でることで綺麗な音となるのであり
ビブラートも、既述の[壺]を中心に僅かにずらし響きの濃淡から音を遠達させる
ことから、いずれの場合も、その音が最も響くポイントである[壺](つぼ ツボ)
について学ぶという点は必須で同一なものとなるのです。
このように
ヴァイオリンの練習では『最小努力の法則』こそが求められるべきであるというのに
そうだと気づいてもなお『矮小努力の選択』をしてしまっている初心者や
そうだと気づかないまま『矮小努力の選択』をしてしまっている上級者まで居るのは
ヴァイオリンの練習の「正しい音程で弾くこと」に対する勘違いが原因なのです。
その背景には
『決定的な誤解!ヴァイオリンの音程は[改善]ではなく[開栓]するもの!』
で書いたように
ヴァイオリンは、その音程を「響くポイントの[壺]で取る」という本来の奏法を
[当然]学び知り奏でる人達によって教えられてきたところ、他の分野と同様、
[当然]とされることは敢えて語られないために、ヴァイオリン愛好者の急増や
教育機関の乱立などにより、そうした[当然]を伝えてもらえなかった学習者が
粗製濫造されてしまったこともあります。
その結果
ヴァイオリンの音程は、開放弦の共鳴音に留まらない総ての音で響きの凹凸から響く
ポイントの[壺](つぼ ツボ)で正しい音程が取れるという本来の奏法が忘れられ
などと書くと
自分の習っている先生はキチンとした演奏をしてるから、そんなことはできている!
自分の習っている先生はT朋或いはG大卒の先生だから、そんなことは習っている!
自分の習っている先生は海外の○○音大に留学したから、そんなことは分っている!
自分の習っている先生は有名オーケストラの団員だから、そんなことは知っている!
と言われてしまうかもしれません。
けれども実際は
ヴァイオリンの音程の取り方“そのもの”がわかって弾けているわけではなく
兎に角一生懸命弾きまくって“それっぽい”音程に近づけているだけのことで
弾きまくって、なぁ~んとなく正しい音程に近い場合、キチンとした演奏だと思われ
弾きまくって、なぁ~んとなく正しい音程に似てると、T朋やG大に受かったりして
弾きまくって、なぁ~んとなく正しい音程のつもりで、海外の音大に留学してみたり
弾きまくって、なぁ~んとなく周りの音程に合わせて、オーケストラの団員をしてる
というだけでしかないのです。
音楽大学というのは
要するに、弾いてひいて弾きまくって、卒業演奏をしただけのことですし
コンクールにしても
要するに、弾いてひいて弾きまくって、順位が付いただけのことですし
演奏活動にしても
要するに、弾いてひいて弾きまくって、演奏活動をしているだけですし
指導団体にしても
だからこそ
私の教室には音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンというページもあるように
ヴァイオリンを正しい音程で奏でることの大切さに気付いた人達が
趣味で習う一般の方から、音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)、
指導者(ヴァイオリンの先生)を問わず、ヴァイオリン演奏の総てに直結する
ヴァイオリン本来の奏法による音程の取り方を学びに来ています。
特に
人はとかく自分の経験したことを当然だと思い込む傾向が強いうえに
人はさらに自分の信奉することを絶対だと決め込む傾向が強いことから
このように
一見効率的なようで、結果として曖昧な音程でしか弾き通せなくなってしまう
一音いちおんに耳を傾け、響きの凹凸により正しい音程を追求する練習は
一見非効率的なようで、結果として正しい音程でしか弾けなくなることで
あとは音楽表現に専念できるため、実は最も効率的な練習方法なのです。
はたして
ここまで読んでいただいたあなたに、再度尋ねます。
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カテゴリ:ヴァイオリン上達の指標