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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
この記事のタイトルを見て
「“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)は“粒粒辛苦”の誤りでは?」ですとか
「“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)なんて四字熟語は無い」と
思われたかもしれませんし、ヴァイオリンの練習においては粒粒辛苦
すなわち努力や苦労を少しずつ積み重ねていくというイメージがある
かもしれません。
けれども
私はあえて“粒粒辛苦”(りゅうりゅうしんく)をもじって
タイトルに“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)と書くとともに、
それはヴァイオリンを正しく演奏するための唯一の練習方法だと思っています。
例えば
ŠEVČÍK OPUS 1 PART 1(セビシック/セヴィシック/セヴシック/セブシック)は
上記の私のサイトのページにも書いたように
学習者毎に学ぶべき課題を状況に応じて選び出し
番号単位ではなく小節単位(時には半小節など)で範囲指定しながら
その練習方法を詳細に指導しています。
理由は
ŠEVČÍKは、その学習者が学習すべき箇所を抜き出し、それを活用しながら練習する
いわば「辞書」のようなものだからです。
従って
ŠEVČÍKを、番号順に学び進める…などという使い方は、
あたかも国語の授業で辞書を
あ
ア
ああ
あああ
………
などと読み進めてしまっているようなもので
そのような使い方では、つまらなく辛いだけではなく、指導の効果も得られません。
ですから
国語で辞書を引き、単語の使い方を説明したり活用しながら授業を進めるのと同じで
学習者毎に学ぶべき課題を状況に応じて選び出し
番号単位ではなく小節単位(時には半小節など)で範囲指定しながら
その練習方法を指導する必要があるのです。
そうしたなか
私のレッスンの場合は、まず最初に
新しいバイオリン教本1(音楽之友社)を使用して
上記の私のサイトのページにも書いたように
この教本では
最初にヴァイオリンの運弓の基礎を開放弦で徹底して学習した後に
続いてヴァイオリンの基本的な調であるニ長調でD線とA線を学習し
その際の指の間隔と同一に弾けるようにイ長調でA線とE線を学習し
その際の指の間隔と同一に弾けるようにト長調でG線を学習することで
同一の指の配列を徹底して身に付けることを目指しています。
そこで
そうした指の配列を徹底して身に付けることは
そうした指の配列で徹底して正確な音程を身に付けることと同義で
そうした正確な音程を身に付けることを目的として
ŠEVČÍK OPUS 1 PART 1(セビシック/セヴィシック/セヴシック/セブシック)も
使用しますが、既述の理由からNo.1からレッスンするなどということはないものの、
ある程度レッスンが進んだ段階ではNo.1も使用します。
ただし
新しいバイオリン教本1で行っている
同一の指の配列を徹底して身に付けることを目指すために
などと書くと
「ŠEVČÍKの課題の調を変えたり
そのような課題のスラーを分割したり取ったりする指示は
初心者に対するレッスンでは当然」と言われてしまいそうですが
私のレッスンではここでさらに
“粒粒辛苦”(りゅうりゅうしんく)ではなく
“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)としての指導を行っています。
まず
“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)の“審区”(しんく)というのは
にするだけではなく
例えば
左指の全体の安定を図りたい生徒さんに対しては、場合によっては
下掲の譜例で薄い黄色で示した小節(レッスンでは薄い黄色の蛍光ペンで着色)を
練習範囲として指定し
その生徒さんのレッスンが進んだら、場合によってはさらに
下掲の譜例で薄い黄色で示した小節(レッスンでは薄い黄色の蛍光ペンで着色)を
練習範囲として追加し
例えば
左指の同一の指の運指の徹底を図りたい生徒さんに対しては、場合によっては
下掲の譜例で薄い黄色で示した小節(レッスンでは薄い黄色の蛍光ペンで着色)を
練習範囲として指定し
その生徒さんのレッスンが進んだら、場合によってはさらに
下掲の譜例で薄い黄色で示した小節(レッスンでは薄い黄色の蛍光ペンで着色)を
練習範囲として追加し
というように
基礎としての共通点は踏まえつつ、生徒さん毎に最適な学習箇所を
“審”すなわち、そこを如何に練習すべきかをつまびらかにしながら
“区”すなわち、学習に最適な練習箇所を区切って指示しています。
ということで
1の指の場合は、1の指
2の指の場合は、1の指と2の指
3の指の場合は、1の指と2の指と3の指
4の指の場合は、1の指と2の指と3の指と4の指というように
演奏するために押さえている指の下の指も配列しておき、
その際に弾いている指の下の指をただ単純に押さえておくのではなく
正しい音程で配しておくという原則を常に厳守しながら練習する必要があります。
また
“粒粒審区”(りゅうりゅうしんく)の“粒粒”(りゅうりゅう)というのは
しかし
その4つの点は
下掲のように16分音符4つに刻ませるのではなく
例えば1つの点を♩=60の速さでカウントするように指定して
一つの音符を4拍に数えさせ、一音いちおんゆっくり弾くように指示します。
そして
この“粒粒”としてのやり方は何も
ŠEVČÍK OPUS 1 PART 1(セビシック/セヴィシック/セヴシック/セブシック)
といった初歩のエチュードにおいてのみ行っているものではなく
あらゆるエチュード(練習曲)、スケール(音階練習)、課題曲においても同様で
例えば
といった、より高度な課題曲の場合にもやはり同様に最初の段階では
ということでゆっくりさらうように指示し
その総ての音において
ここでも既述の
『ヴァイオリンの音程を確定させるのは
絶対音感でもなく相対音感でもなく線香花火音感?!』や
『ヴァイオリンの音程の取り方における三者三様
ただし正しい音程の選び方は一択』で書いた
音程の取り方が実現できるように
『ヴァイオリンの正しい練習方法 それは累煉之泰?!』で書いたように
一つひとつ煉瓦を正しく並べていくように
一音いちおんキチンと弾くようにレッスンしています。
などと書くと
「そんなバラバラにしていたら、音楽にならない」ですとか
「そんなユックリ練習してたら、早く弾けるようにならない」と言われそうですが
そうした練習を行う際には
『“音程” は “リズム”
に属する』の記事で掲げた
譜例を用いて譬えると
というように“音程”ばかりが表出されるような音の配し方ではなく
というように“音程”とともに拍節感により“リズム”も表出され易い
音の配し方をすることにより
バラバラの段階で、既に音楽となっているだけではなく
ユックリの段階で、既に俊敏かつ峻厳に求められる速度で発音し続けているため
その後に求められる速度に早めても、難なく確実に正確な音程で弾けるのです。
そして
一つひとつ綺麗に並べられた、美しく正確な音の数々が
ドミノが正確に倒れていくかの如くに、音楽として着実に進行していくのです。
そうしたことから
これこそがヴァイオリンを正しく演奏するための唯一の練習方法であると考えている
ことから、この記事のタイトルを
『粒粒審区? ヴァイオリンを正確に演奏するための唯一の練習方法』
と題するとともに
私のレッスンでは、この“粒粒審区”なやり方で一音いちおん確認しながら
あらゆる楽曲が正確かつ確実に弾けるように指導しています。
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