昔と今のヴァイオリンメンテナンスの違い 掃除のやり方の新旧と音色への影響

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 イワモト ヴァイオリン教室では
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

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かつて

 かの鹿鳴館の演目には

 『舞踏への勧誘』   が『舞踏要求

 『ウィーンの森の物語』が『森林密会』と記されていたそうですが(笑)

 それは単なる昔の表記ということに過ぎません。

さらに

 私のサイトやブログではヴィエニャフスキをウィニアフスキーと記していますが

 それはウィニアフスキーの直系(ウィニアフスキーヨアヒムアウアー

 シフェルブラット鷲見四郎)にして、そのヴァイオリン協奏曲第2番の

 日本初演者でいらした四郎先生(鷲見四郎先生のことを、門弟達は今でも尊敬を

 込めてこうお呼びします)がそう表記されていらしたからです。

しかし

 上記はいずれも「書き方」について、昔と今では違うということでしかありませんが

 色々な物事でも「やり方」について、昔と今では違うことが多々ある…というより

 あまりの違いに驚かされることがあります。

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それは例えば

 ヴァイオリンメンテナンスでも、昔と今の違いに驚かされることがあり

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 となった

 新しいバイオリン教本 1(音楽之友社)の旧版には

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 糸巻き

 調弦のさい、ギシギシ音を立てたり、ゆるむ場合は糸巻きに

 チョークなどをぬるとよい。

 と書かれていたのには、私が子どもの頃でも驚きました。

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もっとも

 そういう時には糸巻きにチョークではなくペグ潤滑剤を塗る…と知っている人でも

 ペグ潤滑剤として塗っても効果は限定的でしかないヒルの製品を使う人が殆で

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 塗り過ぎると止まらなくなる程、動き難いペグに効くゲッツの製品の使用者は少数で

 既出のヒルの製品とゲッツの製品を重ね塗りする工房も一部にはあるものの

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 このブログの『3.5が決め手の素晴らしいペグ潤滑剤で紹介した、塗るほどに

 糸巻きがスムーズに動き、ペグボックスの穴との密着度も増して振動がさらに糸巻き

 に伝わり、ヴァイオリンがより一層鳴るラペラの潤滑剤を使う人は殆ど居ません。

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Lapella(ラペラ) Peg Compound (糸巻潤滑剤)

https://www.violinsupply.co.jp/Link/items/Maintenance/Maintenace.html

さらに

 ヴァイオリンメンテナンスでの、昔と今の違いに驚かされる…というよりも

 昔も今も変わることなく行われてしまっている「やり方」が生米です

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と書くと

 ヴァイオリンメンテナンスで生米って何?と思う方も居ると思うので一応書くと

 生米をヴァイオリンのf字孔から一掴みほど入れ、胴体を軽くゆすって出すこと

 内部のホコリが生米と一緒に出てきて掃除になるという「やり方」です

けれども

 昔も今も変わることなく行われてしまっているその「やり方」では、ヴァイオリン

 音色に悪影響が及ぶことに気づいていない人達が殆どで、今はその「やり方」でなく

 音色に悪影響を及ぼさずに胴体内部を隅々までくまなく掃除できる方法があるのに、

 それを知っている人が未だにあまり居ません。

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といっても

 私がそのことに気づいたのは半世紀以上前なので“今”ではないと思いますが(笑)

 私がまだ幼稚園に通っていた頃に、そうした「やり方」を先生から言われたので

 生米をヴァイオリンのf字孔から一掴みほど入れて、胴体を軽くゆすって出すこと

 ヴァイオリンの胴体内部のホコリが生米と一緒に出てき…はしました。

ところが

 たかだか分数楽器でもなのか、あるいは分数楽器だったからなのかはわかりませんし

 以下の記述は幼稚園児のものではなく、後年思い返したうえでの記述です

 確かに余韻が増したものの、けれどもそれは質感において若干厚みが増した響き

 確かに低音が増したものの、けれども一方で高音において若干詰まった音色がして

 ヴァイオリンの響きが変わったというよりも、変わってしまったと、子ども心にも

 とても慌てたことを、今でも鮮明に覚えています。

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そこで

 祖父と父にお願いしてコンプレッサー(という言葉は子どもなので知りませんでした

 が(笑))を用意してもらい、f字孔から強風を吹き込んでもらうと、今度はホコリ

 ではなく生米が粉末状に砕けたカスが噴き出し、音色も少しは元に戻りました。

ということで

 ヴァイオリンの内部はニスが塗られていないので、そこへ生米を入れたりしたら

 程度の差こそあれ、米ぬかの油分が内部に染み込み音色が変わってしまううえに

 それならと生米でなく炒った米を入れたとしても、生米同様米の破片が内部に付き

 却って響かなくなるので、私は既述の件以降、コンプレッサーで掃除していました。

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(上掲の写真はイメージで、当時使っていたものではありません)

ところが

 私が大学生になる頃に、市中にパソコンというものが普及し始めたことよって

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(余談ですが、ディスプレイ下の本体に左右2つ有る切れ込みはFDDで

 左手前の板はFD…と書いて、何のことかわからない人が多くなりました(笑))

 コンプレッサーを用意しなくても、簡単に同じ掃除ができるようになりました。

それは

 エアダスターと呼ばれるスプレー缶で、用途はパソコンの内部やキーボードなどの

 隙間に溜まったホコリを吹き飛ばして掃除するもので、かつてはフロンガスでしたが

 最近ではノンフロンの製品となり、先日も下掲の製品を購入しました。

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サンワサプライ エアダスター(逆さ使用OKエコタイプ) CD-31ECO

https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=CD-31ECO&cate=1

(ちなみに

 ヴァイオリンの内部はニスが塗られていないので、缶の向きにかかわらず噴射液が

 出ないことを重視して、 逆さでも噴射液が出ない!というこの製品を選びました)

そして

 赤く細長いチューブを付けてf字孔に差し込んで使うと

 そのようにチューブを入れたf字孔からも、反対のf字孔からもホコリが噴き出し

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 噴き出たホコリはf字孔から空中に飛び散るうえに、表板の表面にも降り積もるので

 赤く細長いチューブを外して使うと、表板に降り積もったホコリが吹き飛ばせます。

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[注意1]

 上掲の商品の場合、炭酸だけでなくジメチルエーテルも含むガスなので

 使用する周囲では火気厳禁です

[注意2]

 連続して噴霧すると、高圧ガスの断熱膨張による断熱冷却によりスプレー缶が冷え

 噴霧するガスも冷却されて楽器内部に結露を招くので断続的に噴霧して使います

これにより

 生米を入れてゆする場合に比べて通常のホコリがもれなく噴き出せるだけではなく

 ヴァイオリンの内部にこびりついているホコリまで楽器を傷めずに吹き飛ばせるうえ

 ヴァイオリンの内部の隅々までくまなくホコリを取り除けるとともに

 ヴァイオリン音色に悪影響を与えずにホコリが除去できて響きも良くなります。

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ということ

 ヴァイオリンの胴体内部に生米を入れてホコリを取る方法は、それによる響きの変化

 にばかり気が向くためか、既述のような音色への悪影響に殆どの人が気づかないため

 今でも行われてしまっているのだと思いますが、今では上記のようにエアダスターを

 使えば、そうした音色への悪影響なしに掃除できます。

そのように

 胴体内部のホコリを取り除くだけでなく、やり方の違いでさえ音色に影響が出るほど

 ヴァイオリン響きというものは繊細なのです

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そして

 ヴァイオリンという楽器はそのように響きの変化に感度の高い楽器であるからこそ

 ヴァイオリン音程は、開放弦の共鳴音に留まらない総ての音において

 響きの凹凸から響くポイントの[](つぼ ツボ)で正しい音程が取れるのです

そうしたことから

 ヴァイオリンの胴体内部のホコリ取りについては、昔ながらの生米ではなく

 最新のテクノロジーであるノンフロンガスのエアダスターの使用が勧められる一方

 ヴァイオリン正しい音程取る方法については、昔ながらの響きの凹凸による

 本来の奏法が勧められるというより、それこそが本当ヴァイオリンの弾き方です

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ですから

 そうした響くポイントの[]で奏でた時にこそ美しい音が響くヴァイオリン

 そうした響きの凹凸が測れないチューナー音程を取ってみたり

 そうした響きの凹凸を聴くこととは無関係な、頭の中の音、歌ってみる、左手

 姿勢を直す、ピアノを叩いて音程取る、などということをしていたのでは、

 いつまで経ってもヴァイオリンの本当の美しい響きを奏でることはできないのです。

そうしたことから

 私の教室には音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンというページもあるように

 趣味で習う一般の方から、音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)、

 指導者(ヴァイオリンの先生)までもが、そうした響きの凹凸により響くポイントの

 [](つぼ ツボ)で正しい音程奏でるヴァイオリン本来奏法基づいた

 音程の取り方ルール方法習いに来ています

そして

 ヴァイオリンを「正しい音程」の「美しい音」で「朗々と響かせる」ことができる

 ようになっています

あなたも

 昔ながらのやり方のチョークや生米でない方法で、ヴァイオリンメンテナンスして

 昔ながらのやり方というより本来奏法で、今度はヴァイオリン本当の美しい音で

 響かせてみませんか? 

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