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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
そうした作品は他にもいくつかあるものの、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
(メニューイン先生が再発見したニ短調の作品と区別するため、正確には)ホ短調
何故なら
拍節としては、わずか2拍半でアウフタクトとして奏で始めるソロならではの音
音程としては、まさにこれこそがヴァイオリンという響きと音色で奏でるべき音
これを、f(フォルテ)でのappasionatoで、まさしく華麗に奏でる…のではなく
それは、p(ピアノ)なのにappasionatoで、あたかも可憐に感じられる音で奏でる
それを、多くのヴァイオリン協奏曲にみられるアインガングを経ることもなく
まさに、いきなり颯爽と登場するオペラの主人公のように奏でなければならない…
つくづく
SP録音で残されている当時のヴァイオリニストの演奏は、今日に比べて
演奏者人口が少なかったから低レベル…などということは決してなく、むしろ今日
では失われた胸に突き刺さるかの如き感動をもたらすものが少なくない時代にあって
日本音楽コンクールの第一回(当時は時事新報社音楽コンクール)に
ヴァイオリンを習い始めてわずか数年の鷲見四郎先生がこの曲を弾いて優勝され
その翌年にもラロ/スペイン交響曲で、鷲見四郎先生が優勝してしまったことで
一度優勝した人はもう参加できないという規定が作られたことは、驚嘆に値すると
思います。
と弾いただけで何度も「違う!」と演奏を中断されたばかりか
と弾いただけでも「違う!」と仰った際には、当時の私は面食らったものの
すぐに理由がわかり直した…と書きました。
けれども実は
そのように最初のHの音を出す…ということだけで、指導が実に1時間を超えて
いましたが、それ以前に何と、音を出そうとするだけで「違う!」と仰り、次に
「どうして?」に変わられ、ついには「どうしてぇ!?」となってしまわれた、その
「どうしてぇ!?」の仰り方が三郎先生(鷲見三郎先生のことを、門弟たちは今でも
尊敬を込めてこうお呼びします)とそっくりであることを知る人は、今では殆ど
居なくなってしまいました。
の音の場合
(音符の位置を相当程度低くしてイメージを表現しています)
(音符の位置をある程度低くしてイメージを表現しています)
(音符の位置をある程度高くしてイメージを表現しています)
この際の赤い矢印で示した音程こそが
(音符の位置を段階的に上下させてイメージを表現しています)
の音の上記の説明は
の音となると
(音符の位置を段階的に上下させてイメージを表現しています)
四郎先生は、この5つの音程の差異も踏まえたうえで、ではメンデルスゾーンの
協奏曲の場合には、如何なるHの音を奏でるべきなのか?ということを具に伝え
ようとされたために、既述のように最初のHの音だけで1時間を超えるレッスン
ということになったのです。
三郎先生は、何しろ弦の[壺]については私など足元にも及ばないほど鋭敏な感覚を
お持ちで、レッスン前に指に砥の粉を付けてOliv弦を擦って弦の[壺]を揃えて
いらっしゃるほどでしたし
四郎先生は、逆に新発売の弦がお好きな代わりに、『一流満倍!? 正しい音程で
速く弾けるヴァイオリン演奏』で書いた拍節の[壺]に関しては、卓越した感覚と
指導力をお持ちでした。
そして
『“音程” は “リズム” に属する』で引用した譜例でそれについて説明すると
そこからさらに
というようにアウフタクトとしての冒頭Hの音であるように弾きつつ、冒頭既述の
これを、f(フォルテ)でのappasionatoで、まさしく華麗に奏でる…のではなく
それは、p(ピアノ)なのにappasionatoで、あたかも可憐に感じられる音で奏でる
ようにするためには
運弓(うんきゅう ボーイング ボウイング)として実際に音を奏でた時点では遅く
弓運(ゆみはこび という言葉はありません)とでも評したくなる音を出す前の段階
ちなみに念のために書いておくと
「じゃあ、冒頭のHの音のレッスンだけでおしまいだったの?」ですとか
「じゃあ、冒頭のHの音だけでこうだと、全体の指導は何日かかるの?」などと思わ
れるかもしれませんが、そのようなことはなく、上記のような冒頭のHの音の
アプローチを私が解したと見られた後は、最後まで弾き通すように指導を進められ、
勿論最後の一音まで徹底して練習してあったことに加えて上記の指導による理解も
加わり、自分でも信じられないくらい見事に最後まで弾き通せてしまった指導には、
私は今でも驚嘆しています。
三郎先生ほどに鋭敏な「音程の[壺]」(つぼ ツボ)の指導にも
四郎先生ほど卓越した「拍節の[壺]」(つぽ ツボ)の指導にも
私は足元にも及びはしないものの、その後に
ヴァイオリンの練習方法と演奏テクニック』で書いたように
歴史的名奏者のメニューイン、シェリング、スターン先生の教えを請う機会や
来日時のツィンマーマンの練習を四郎先生宅で具に聴く機会に恵まれたこともあり
既述の世界的名奏者の方々は、一人残らず、
どのような時も、どのような曲においても、まずは
ゆぅ~~~っくりと、一音いちおん「拍節の[壺]」に向かって音を並べつつ
ユゥ~~~ックリと、一音いちおん「音程の[壺]」を確認しながら弾くという
そうしたことから
そのように復習うことで
『ヴァイオリン学習者が確実かつ急速に上達する指導を巡る3つの思い』や
上達を目指すなら、こういう指導を受けよう!』で書いたように
美しい音が朗々と響くようになるだけでなく
それによって楽器もどんどん、どんどん、よく鳴るようになるうえに
それによって演奏もどんどん、どんどん、上手に聴こえるようになり
その結果、[上達のワープ]ともいえるような急速な上達につながる…という成果が
私自身のみならず、私の門を叩いてくださった生徒さん方にも得られていることは
であればこそ私は
趣味で習う一般の方だけでなく、専門家を目指す方や
音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンにおいても
ヴァイオリンは音程の[壺]を探すことで正しい音程で弾けることや
ヴァイオリンは正しい音程で弾くと、美しい音が朗々と響くことに加え
ヴァイオリンの名曲の数々を、正しい音程の美しい音で奏でることで
引き出されるヴァイオリン本来の魅力と素晴らしさを、今後もレッスンで
一人でも多くの方に伝え続けていきたいと思っています。
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カテゴリ: 音程の[壺](つぼ ツボ)