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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
(ただし実質は
『フリマリー/バイオリン音階教本』を小野アンナが校訂したものが
『小野アンナ/ヴァイオリン音階教本』です)
(カール・フレッシュ/スケールシステム)などが有名ですが
(Carl Fischer Music では、現在はグリーン:Va レッド:Vc 用です)
それは
『悪魔のトリル』で知られるタルティーニが発見した[差音]に関することで
この[差音]については
『温故知新 ~その2~(調弦を正しく行うために)』で取り上げた
かの作曲家モーツァルトの父親にしてヴァイオリンの名教師であった
レオポルト・モーツァルトが著した『ヴァイオリン奏法』には
「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば、
同時に、確かに弱い音だがはっきりと聞こえる大きさで、下の音が聞こえてくる」
という[差音]についての記述とともに
「以下に、いくつかの例を示そう。ここから、長三和音(トリアス・ハルモニカ)が
いかに力強く響くのかがわかるだろう」
「例えば、ふたつの音が短3度離れていると、下方に長3度あるいは長10度の音が
聞こえる。これこそ、うまく協和した3和音なのである。
これに対して、ふたつの音が長3度離れていると、下方にはオクターヴの音
しか聞こえない。」
と記されています。
短3度の重音では[差音]で長三和音が形成されて力強く響くのに対し
長3度の重音では[差音]で長三和音が形成されず力強い響きが得られないことから
それは
10度の練習は、10度の重音を弾くためと捉えられがちであるため
10度の運指は、10度の重音を弾く時にだけ使うと思われがちですが、実際には
10度の奏法は、10度の重音以外の様々な音形を奏でる予備動作でも用いられ
それが、シフティングの移動量を補完するものとなるのです。
ここでは
ということで
◇で記した箇所で1の指を予め準備して指板の上空で待機させておくことで
左手で押さえる際の音程が安定し、正しい音程で落ち着いて演奏することが可能で
◇で記した箇所の1の指を予め準備しておいた際の1と4の指の幅は10度に相当し
それを編んだかのシゲティにおいて
10度の重音の音階練習の課題のところに
Practice the scales in 10ths in the same manner as the scales in 3rds.
をまず
※
(正確には、既述のレオポルト・モーツァルトが記したように
短3度の重音では、長三和音が形成され力強く響くのに対して
長3度の重音では、長三和音が形成されないという響きのムラが生じはしますが
10度の重音にすることで、そうした響きのムラが減らせるとともに
10度の重音と3度の重音が同名音の重音であれば、それによる[差音]も
オクターブ異なる場合も含め同名音となることから
音名が同じという点で、ここも含めて以下同様に「同じ響き」と記述します)
そのため
重音の課題として3度・6度・8度・10度の順番に載せられていますが
それは音程の幅が3度・6度・8度・10度の順で大きくなるからに過ぎず
ヴァイオリンの伝統的なレッスンでは重音の[差音]が必ず指導されるとともに
イギリスで専門教育を受けて来た生徒さんは、既掲の下記を当然承知していました。
Practice the scales in 10ths in the same manner as the scales in 3rds.
このように
まず3度の重音を復習い、続いて10度の重音を同じ響きになるよう復習うのが
ヴァイオリンにおける10度の練習方法であり、その際には重音の[差音]も指導
これについては
あなたがいつまでもヴァイオリンをきちんと弾けない理由』で書いたように
ある自動車を時速100kmで走らせたい時に
その自動車が時速100kmまでしか走れない性能では無理が生じるので
その自動車を時速180km程度まで走行可能にしておかなければならないように
そこで
『ヴァイオリンの[音階練習]で留意すべき2つのポイントとは?』で示したように
(なお
上掲の譜例の音形の場合に即して1と4の指の拡張の写真を示しているだけで
上掲の譜例の音形ではない場合は2と3の指の拡張の練習も必要となり
下掲では、手順としては異なりますが、結果の状態の説明としては
2と3の指でオクターブの音程を取り、そこに1と4の指が添えられていますが
方法と手順は示しておらず、これらの写真の模倣だけでは拡張練習にはなりません)
ちなみに
既出の『かくちょうげんじつ』の記事中でも書きましたが
他の教室から移ってきたある生徒さんは、女性であるうえに非常に小柄で
私の仕事仲間で小学生のような左手の大きさの奏者も居ますが、それよりも小さく
しかしそれは
その教室の先生がこうした伝統的な左指の拡張練習を習わず知らず指導しなかった
ためで、その非常に小柄で非常に左手が小さな生徒さんも左指の拡張練習により
その際
10度の音程を取るのに、8度からの拡張や12度への拡張どころではなく
2と3の指を持ち上げている運指をもしもあなたがしているのなら
2と3の指を持ち上げていることで、左手が不安定になるとともに
※注意
(10度の音程を取るのに、2と3の指を持ち上げている上掲の写真は
解剖学的な観点から、手指を傷める原因にもなるという既述の事例を示すために
趣味で習う生徒さんで医師の方に、一時的な状態での撮影を協力いただいたもので
一般の方は決して真似をしないでください)
ですから
例えば既出のブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番第三楽章の10度の箇所でも
2と3の指が勢いあまって浮いてしまっているということはあるものの
2と3の指を持ち上げるなどという弾き方は、まともな奏者は誰もしません。
(左手が大きいので、10度もまるでオクターブのような運指です(笑))
(正統派ヴァイオリニストとして知られるツィンマーマンならではの運指です)
(勢いあまってか2と3の指が浮いてはいますが、持ち上げてはおらず
他の演奏者でも2や3の指が浮くことはあっても持ち上げる人は居ません)
(女の子の場合も指を持ち上げるなどということはしていないどころか
上の音が4の指では弱いからと、1と3の指で10度の重音を弾いている
つまり1と4の指による通常の10度以上の拡張の運指で演奏しています)
そして
誰もが必ず上達する方法を、誰もが必ず見落としている!?』で書いたように
「ヴァイオリンを正しい音程で弾けるようになりたい」
「ヴァイオリンを綺麗な音で奏でたい」
「ビブラートの正しい掛け方を学びたい」はそれぞれ別の目的のように思えても
正しい音程は、響くポイントの[壺]を認識し選択する手法を学ぶことであり
綺麗な音 は、響くポイントの[壺]で奏でることで綺麗な音となるのであり
ビブラートも、既述の[壺]を中心に僅かにずらし響きの濃淡から音を遠達させる
ことから、いずれの場合も、その音が最も響くポイントである[壺](つぼ ツボ)
について学ぶという点は必須で同一なものとなるのです。
10度や3度も含めた重音における[差音]のみならず、単音の音程において
ヴァイオリンの音程は、開放弦の共鳴音に留まらない総ての音で響きの凹凸から響く
ポイントの[壺](つぼ ツボ)で正しい音程が取れるという本来の奏法が忘れられ
そうした響きの凹凸を聴くことと無関係な、頭の中の音、歌ってみる、左手の形や※
姿勢を直す、ピアノを叩いて音程を取る、などというやり方が蔓延してしまったの
です。
その理由には
『決定的な誤解!ヴァイオリンの音程は[改善]ではなく[開栓]するもの!』
で書いたように
ヴァイオリンは、その音程を「響くポイントの[壺]で取る」という本来の奏法を
[当然]学び知り奏でる人達によって教えられてきましたが、他の分野と同様、
[当然]とされることは敢えて語られないために、ヴァイオリン愛好者の急増や
教育機関の乱立により、そうした[当然]を伝えてもらえなかった学習者が
そうしたこともあり
私の教室には音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンというページもあるように
趣味で習う一般の方から、音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)、
指導者(ヴァイオリンの先生)までもが、10度における指の拡張練習に留まらず
よろしければ、こちらもご覧ください。
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カテゴリ:ヴァイオリン上達の指標