ヴァイオリンの重音の音階(スケール)練習 ~その2~

ヴァイオリン重音は[差音]で音程が確定されます。

ヴァイオリン重音音階練習は[差音]を聴き取るための練習なのです

本当に上達したい方のためのヴァイオリン教室です ヴァイオリン教室 バイオリンレッスン

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 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
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 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

ヴァイオリン バイオリン 重音 音階 練習 差音 音程 教室 レッスン

このブログの

 『温故知新 ~その2~(調弦を正しく行うために)』や

 『ヴァイオリンの10度における2つの重度』で取り上げた

 かの作曲家モーツァルトの父親にしてヴァイオリンの名教師であった

 レオポルト・モーツァルトが著した『ヴァイオリン奏法』には

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 『悪魔のトリル』で知られるタルティーニが発見した[差音]に関して 

 「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば、

  同時に、確かに弱い音だがはっきりと聞こえる大きさで、下の音が聞こえてくる」 

 と書かれています

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そして

 「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば」

 という記述からわかるように

 「ふたつの音を正確にとって」  という点で、左手運指)で正確音程を取り

 「正しく引き出すことができれば」という点で、右手(運弓)で正しく響かせられて

 はじめて[差音]が生じるのです

ですから

 [差音]を聴きながら行われてこそのヴァイオリン重音音階練習であり

 ヴァイオリン重音練習で[差音]を聴くためには

 ヴァイオリン左手運指)と右手(運弓)がともに正しく行われていることが 

 求められるのです

そのため

 私のサイトの主な使用教材のページに

 「伝統的な教材のなかで比較的よく使うものの一覧」として掲げたなかから

 例えば

 『CARL FLESCH SCALE SYSTEM

 (カール・フレッシュ/スケールシステム)において

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(Carl Fischer Music では、現在はグリーン:Va レッド:Vc 用です

 下掲はそれぞれC dur の重音の課題の冒頭です

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 このいずれの課題においてもそうした[差音]を聴きながら練習します。

具体的には

 『ヴァイオリンの重音の音階(スケール)練習 ~その1~』で書いたように

 まずスラーではなく、一和音いちわおん丁寧に[差音]を聴きながら

 弾いていきますが

 (下掲の譜例で、各和音の上の2つの音を[実音]として正しく奏でた際に

  聞こえるのが、各和音の最下音で示した[差音です

 例えばC dur の3度の重音の課題の冒頭では

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 例えばC dur の6度の重音の課題の冒頭では

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 例えばC dur の8度の重音の課題の冒頭では

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 例えばC dur の10度の重音の課題の冒頭では

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 ということになります。

けれども

 上掲なまでの重音音階練習行ってもなお、実際の楽演奏では足りず

 例えばクライスラー/『愛の喜び』から冒頭部分でみた場合

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 そこで重音の[差音]は(点滅している音符が[差音]で以下同様)

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 となります。

そのため

 既出の3度の重音における[差音]や

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 既出の6度の重音における[差音]留まらず

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 さらに4度の重音における[差音]や

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 さらに5度の重音における[差音]も聴取する練習を行い演奏する必要があります。

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 他の教本ではあまり見られない4度や5度の重音練習の課題も載っています

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 それでも、あらゆる楽の楽句における重音を網羅するものではありません。

では

 既述以外のあらゆる重音に対応するにはどうしたらよいのでしょうか?

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それは

 ヴァイオリン重音音階練習のやり方というよりも捉え方の違いであって

 ヴァイオリン重音練習の課題をいくら並べ立てても実際の楽の楽句は網羅できず

 ヴァイオリン重音練習の課題をいくら漫然と弾きこなしたところで上達しません。

そうではなく

 ヴァイオリン重音練習で課題を弾きこなすことを目的とするのではなく

 ヴァイオリン重音練習の課題で[差音]の響き聴く訓練を積むこと

 ヴァイオリン重音を実際の楽正しい音程演奏できるようになれるのです

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なお

 『ヴァイオリンの重音の音階(スケール)練習 ~その1~』でも触れたように

 ヴァイオリンの単音の場合は、[差音]ではなく、響くポイントの[壺]で

 音程を取ることから、単音の音程と重音の音程は必ずしも一致しません、

加えて

 ヴァイオリン重音においては[差音によって単音相互の音程が確定され

(そうした場合、単音の何れを基準にするかという選択が必要になります)

 ヴァイオリンの単音においては[]の響き聴いて正しい音程を定めたとしても

 それはヴァイオリンにおける音程が正しくなっただけであり

 ヴァイオリンの無伴奏のソロではなくピアノ伴奏が加わる場合には

 ヴァイオリンの側で取るべき音程を、ピアノに合わせて微調整する必要があります。

このことは

 私のサイトのヴァイオリンの音程の取り方のページにも書いたように

 音程を正しくするために、取るべき音程を微調整する訓練を行い続けることにより

 音程が異なる楽器の集合体で、徐々にピッチが変わるオーケストラでの演奏

 音程が固定されているピアノなどの鍵盤楽器との演奏でも

 優秀な鍵盤楽器奏者は、響かせ具合で音程の聴こえ方を調整することに加えて

 ヴァイオリンの側が音程を調整することで、美しいアンサンブルが成立します。

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ところが

 ヴァイオリンの重音は[差音]によって単音相互の音程が確定され

 ヴァイオリンの単音は[壺]により音程が定められることは既述のとおりですが

 『決定的な誤解!ヴァイオリンの音程は[改善]ではなく[開栓]するもの!

 で書いたように

 ヴァイオリンは、その音程を「響くポイントの[壺]で取る」という本来の奏法を

 [当然]学び知り奏でる人達によって教えられてきたところ、他の分野と同様、

 [当然]とされることは敢えて語られないために、ヴァイオリン愛好者の急増や

 教育機関の乱立により、そうした[当然]を伝えてもらえなかった学習者が

 粗製濫造されてしまったのです

その結果

 ヴァイオリン音程は、開放弦の共鳴音に留まらない総ての音で響きの凹凸から響く

 ポイントの[](つぼ ツボ)で正しい音程が取れるという本来奏法が忘れられ

 そうした響きの凹凸が測れないチューナーで音程を取ってみたり

 そうした響きの凹凸を聴くことと無関係な、頭の中の音、歌ってみる、左手

 姿勢を直す、ピアノを叩いて音程を取る、などというやり方が蔓延してしまったの

 です

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ちなみに

 私の教室には音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンというページもあるように

 趣味で習う一般の方から、音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)、

 指導者(ヴァイオリンの先生)までもが習いに来ています。

そして

 そうした専門家と思われている方々にあってもなお

 重音の[差音]や単音の[]が必ずしもわからない状態でレッスンに来られても

 重音の[差音]や単音の[]を正確に聞き分ける指導受け続けることよって

 ヴァイオリン正しい音程の美しい音で朗々と響かせられるようになっています

よろしければ、こちらもご覧ください。


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