ヴァイオリンの重音の音階(スケール)練習 ~その1~

あなたは重音音階(スケール)練習が正しくできていますか?

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 イワモト ヴァイオリン教室では
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

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このブログの

 『温故知新 ~その2~(調弦を正しく行うために)』や

 『ヴァイオリンの10度における2つの重度』で取り上げた

 かの作曲家モーツァルトの父親にしてヴァイオリンの名教師であった

 レオポルト・モーツァルトが著した『ヴァイオリン奏法』には

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 『悪魔のトリル』で知られるタルティーニが発見した[差音]に関して 

 「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば、

  同時に、確かに弱い音だがはっきりと聞こえる大きさで、下の音が聞こえてくる」 

 と書かれています

そのなかで

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 といった譜例が掲げられていて

 白い音符が重音で弾く[実音]で

 黒い音符がその2つの[実音]を正しい音程で奏でた際に聞こえる[差音です

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その際

 「ふたつの音を正確にとって、ヴァイオリンから正しく引き出すことができれば」

 という記述からわかるように

 「ふたつの音を正確にとって」  という点で、左手運指)で正確音程を取り

 「正しく引き出すことができれば」という点で、右手(運弓)で正しく響かせられて

 はじめて[差音]が生じるのです

ですから

 [差音]を聴きながら行われてこそのヴァイオリン重音音階練習であり

 ヴァイオリン重音練習で[差音]を聴くためには

 ヴァイオリン左手運指)と右手(運弓)がともに正しく行われていることが 

 求められるのです

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そうしたこともあり

 私のサイトの主な使用教材のページに

 「伝統的な教材のなかで比較的よく使うものの一覧」として掲げたなかから

 例えば

 『CARL FLESCH SCALE SYSTEM

 (カール・フレッシュ/スケールシステム)において

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(Carl Fischer Music では、現在はグリーン:Va レッド:Vc 用です

 下掲はC dur の3度の重音の課題の冒頭です

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 ここでも[差音]を聴きながら行われてこそのヴァイオリン重音音階練習です

具体的には

 まず最初はスラーではなく、一和音いちわおん丁寧に[差音]を聴きながら

 弾いていきます。

 (下掲の譜例で、各和音の上の2つの音を[実音]として正しく奏でた際に

  聞こえるのが、各和音の最下音で示した[差音]です)

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その後

 一和音いちわおんを[差音]により正確音程弾けるようになってから

 スラーで、ただしゆっくり(場合によってはスラーも分割して)弾き

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 それができて初めて譜面の通りに[差音]を意識しながら正確音程で弾きます。

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また

 重音の場合とは音程が必ずしも一致しない単音の場合も、練習方法の基本は同様で

 単音の音階練習においても、一音いちおん正確音程確認しながら行います。

そのために

 単音の場合も、まずは一音いちおん丁寧に正確音程確認しながら弾いて練習

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 その後、一音いちおん正確音程弾けるようになってから初めて

 スラーで、ただしゆっくり(場合によってはスラーも分割して)弾き

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 それができて初めて譜面の通りに、正確音程確認しながら弾きます。

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そうすることで

 『ヴァイオリンの音階(スケール)の練習』のページにも明記したように

 ヴァイオリンの音階(スケール)練習の最大の目的である 

 正しい音程で弾けるようになれるのです。

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ところが重音音階練習において

 何しろ譜面上は16分音符がスラーで並べられているため

 一通り弾き通せば練習かのように誤解し、最初から譜面のように弾いてしまったり

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 丁寧に…といっても少し遅く弾けば、それが音階練習という勘違いが生まれました。

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また単音の音階練習でも

 何しろ譜面上は16分音符がスラーで並べられているため

 一通り弾き通せば練習かのように誤解し、最初から譜面のように弾いてしまったり

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 丁寧に…といっても少し遅く弾けば、それが音階練習という勘違いが生まれました。

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と同時に

 重音練習の際、一和音いちわおん正確音程確認してこその音階練習、すなわち

 重音練習の際、一和音いちわおん[差音]を聴いて練習するのが[当然]という

 既述の練習法が、忘れられたうえに[差音]を聴くことまで忘れられたのです

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では何故

 ヴァイオリン音階(スケール)の練習の最大の目的は、

 正しい音程弾けるようにすることであるにもかかわらず、重音・単音を問わず

 正しい音程で弾けているかどうか確認されなくなってしまったのでしょうか?

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それは

 『決定的な誤解!ヴァイオリンの音程は[改善]ではなく[開栓]するもの!

 で書いたように

 ヴァイオリンは、その音程を「響くポイントの[壺]で取る」という本来の奏法を

 [当然]学び知り奏でる人達によって教えられてきましたが、他の分野と同様、

 [当然]とされることは敢えて語られないために、ヴァイオリン愛好者の急増や

 教育機関の乱立により、そうした[当然]を伝えてもらえなかった学習者が

 粗製濫造されてしまったのです。

加えて

 このブログの記事の『走馬看過!? ヴァイオリンの音程の取り方に気づかない』や

 私のサイトの『サイモン・フィッシャー/スケールズ』のページでも書いたように

 音階教本においては

 ヴァイオリンをヴァイオリンとして奏でるための音形が並んでいるだけで

 ヴァイオリンヴァイオリンとして奏でるための音程の取り方練習方法

 書かれていません。

その結果

 ヴァイオリン音程は、開放弦の共鳴音に留まらない総ての音で響きの凹凸から響く

 ポイントの[](つぼ ツボ)で正しい音程が取れるという本来奏法が忘れられ

 そうした響きの凹凸が測れないチューナー音程を取ってみたり

 そうした響きの凹凸を聴くことと無関係な、頭の中の音、歌ってみる、左手の

 姿勢を直す、ピアノを叩いて音程取る、などというやり方が蔓延してしまったの

 です。

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しかし

 正しい音程弾けるようにするための音階練習では

 重音音階練習においては、既述のように差音]で音程の正しさを確認

 単音の音階練習においては、響くポイントの[]で音程の正しさを確認します。

このように

 正しい音程が何?という厳密なルールを知ったうえで行うのが音階練習であるのに

 正しい音程が何?という厳密なルールも知らずに何となく弾く音階練習というのは

 まるで

 どうするべきか?という厳密なルールを踏まえたうえで作るのが陶芸であるのに対し

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 どうするべきか?という厳密なルールなどなく弄りまわす泥遊びのようなものです。

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はたして

 あなたのしている重音音階練習

 正しい音程が何?という厳密なルールなど確認せずに弾き通すものですか?

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それとも

 あなたのしている重音音階練習では[差音]という

 正しい音程が何?という厳密なルール確認しながら弾いていますか?

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ちなみに

 私の教室には音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンというページもあるように

 趣味で習う一般の方から、音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)、

 指導者(ヴァイオリンの先生)までもが習いに来ています。

そして

 そうした専門家と思われている方々にあってもなお

 重音の[差音]や単音の[]が必ずしもわからない状態でレッスンに来られても

 重音の[差音]や単音の[]を正確に聞き分ける指導受け続けることよって

 ヴァイオリン正しい音程美しい音で朗々と響かせられるようになっています

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