ヴァイオリンの名曲に見る伝統的な奏法 正しい音程の[壺](つぼ ツボ)の実例

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 イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。

 イワモト ヴァイオリン教室では
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
 一音いちおん丁寧に
 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

上掲の写真のように

 お弁当箱としてよく見かける「げわっぱ」について調べると

 全国各地に“げ物”とよばれる工芸品が色々とあるなかで、秋田杉による大館の

 「大館げわっぱ」だけが国の伝統工芸品指定を受けていると知りましたが、上掲が

 「大館げわっぱ」なのかどうかは、詳しくない私にはわかっていません。

もっとも

 げわっばでは、げ板部分は同じ寸法、つまり平行に作られるのに対して

 ヴァイオリンの横板は、ネック寄りで30mmあご当て寄りで31mm

 平行ではない造りになっていますが、これにより音が良く響くとされているものの

 私はそれよりもむしろ単純に平行でなくmmの差を出して作られること

 その職工の腕の見せ所であり、職工の腕前の確かさを測る基準と考えています

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ずれにせよ

 げわっぱも、ヴァイオリンも、様々技術の積み重ねで作られているように

 ヴァイオリン演奏についても、様々な叡智の積み重ねで行われていること

 どなたも何となく感じていると思います

そして

 そうした長年の叡智の積み重ねでの演奏であることが、たった一音で明白になるのが

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭、それについて主に3つの観点で書いてみます。

タイス 瞑想曲 ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

まず第一が

 『スケールシステム』(SCALE SYSTEM)や

CARL FLESCH SCALE SYSTEM カール フレッシュ スケール システム ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

 『ヴァイオリン演奏の技法』(Die Kunst des Violinspiels)で知られる

カール フレッシュ ヴァイオリン演奏の技法 ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

 カール・フレッシュのヴァイオリンのための基礎練習』(URSTUDIEN)に

 写真入りで掲げられていることです

CARL FLESCH URSTUDIEN ヴァイオリンのための基礎練習 ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

と書いて

 「ああ、あの12ページの下に写真入りで書かれていることね」とわかる人は

 私と同じ「専門馬鹿」だと思いますが(笑)まさかページ数までわからずとも

 第3ポジションあるいは第4ポジション(「あるいは…」については後述)では

 手の平が楽器の肩に接しているであろう、というヴァイオリン演奏の原則が

 掲げられていて

CARL FLESCH URSTUDIEN ヴァイオリンのための基礎練習 ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

 第3ポジションで弾く場合は、この演奏の原則によって安定した運指が保たれ

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭でも、この演奏の原則によって赤い丸印で示した

 F♯の音が確実に弾き始められ、一旦開放弦で離した音程が再度同様に取れます。

タイス 瞑想曲 ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

その際

 第3ポジションあるいは第4ポジションで手の平が楽器の肩に接するという記述を

 第3ポジションで必ずしも接しなくても良い…などとするのは誤った拡大解釈で、

 大人でも小学生のように小さな手の平の人も居ることからフレッシュはそう記した

 だけなのです

そして

 この原則を踏まえるから第3ポジションが安定して演奏できるとともに、そのように

 その原則を踏まえている第3ポジションを基準にして第2と第4のポジションが

 導かれるように指導されるのが、伝統的で正統的なヴァイオリンレッスンです

さらに

 第1と第5ポジションでの同様の演奏上の原則については、ここでは触れませんし

 第7と第6ポジションでもやはり演奏上の左手の原則が存在しているだけではなく

 第8ポジション以上の際も同様に演奏上の左手の原則が存在する…とだけ書けば

 伝統的で正統的なヴァイオリンレッスン受けた人であれば「あの原則ね」と

 わかるようにヴァイオリンにはポジション移動についてだけでも長年の叡智の

 積み重ねがあり、それを一つひとつ正しく学び重ねることよって正確で安定した

 演奏が実現するのです

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事実

 第3ポジションを初めて習う際には、第1ポジションから第3ポジションの移動時に

 目的もなく移動していたのでは、パラグライダーの空中散歩のようなもので(笑)

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 そうではなく、手の平が移動して来て楽器の肩に、強すぎず、弱すぎず、非常に軽く

 ノックして「コツン」と当たるかのように接する…と指導される筈です

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次に第二が

 第3ポジションで手の平が楽器の肩に接しているとなると、その状態でかけられる

 ビブラートヴィブラート)は、単純に考えると

 手の平のビブラート(手の平からかけるビブラート)一択ということになります。

けれども

 そのような状態であっても

 指  のビブラート(指  からかけるビブラート)は勿論

 腕  のビブラート(腕  からかけるビブラート)も難なくかけられるように

 練習を重ねる必要がありますが、『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭は想からして

 手の平ビブラート(手の平からかけるビブラート)しか選択肢はありません。

従って

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭をビブラートをかけて演奏している際に

 ビブラートをかけることよって手の平が楽器の肩から離れたり接したりはしても

 ビブラートをかけ始める最初では手の平が楽器の肩に必ず触れているとともに、

 ビブラートをかけ始めた後でも、ビブラートよって手の平~肘までの前腕が

 多少動いてしまうことはあっても、前腕を積極的に動かしているような演奏

 ヴァイオリンの伝統的な奏法を正しく習得できていない人の演奏だと言えます。

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次に第三が

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭はF#です

 このF#をいずれ音程で弾くのか?ということです

と書くと

 「F#はF#なので、いずれも何もないだろう」ですとか

 「バイオリン音程は、前後関係で変化する」といった声が聞こえて来そうですが、

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭はアルペジオ音でもあるので、赤い丸印で示した

 F#はどちらも同じ音程であることが求められる点では、他に選択肢はありません。

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その際

 私のサイトのヴァイオリンの音程の取り方のページでも例示したように

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の音の場合


 正しい音程よりも、相当程度低いとあまり響かず

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(音符の位置を相当程度低くしてイメージを表現しています)


 正しい音程よりも、ある程度低くてもよく響かず

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(音符の位置をある程度低くしてイメージを表現しています)


 正しい音程の場合、ハッキリした音でよく響き

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 正しい音程よりも、ある程度高くてもよく響かず

ヴァイオリン 演奏 本来 正しい 音程 美しい 音 壺 つぼ ツボ 奏法 バイオリン レッスン 教室

 

 

(音符の位置をある程度高くしてイメージを表現しています)


 正しい音程よりも、相当程度高くてもよく響くポイントがある

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 この際の赤い矢印で示した音程こそが

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(音符の位置を段階的に上下させてイメージを表現しています)


 『美しい海と海岸を取り戻す

  ヴァイオリンは正しい音程の[壺]で奏でると、美しい音が朗々と響く』などの

 記事で繰り返し書いているヴァイオリンの正しい音程の[壺](つぼ ツボ)です。

そして

 そうした]を踏まえないままヴァイオリンを響かせると曇った音がしてしまい

 そうした]を踏まえないままヴァイオリンを鳴らすと苦しい音がしてしまう

 その曇った音を、あたかもオールド楽器によるシルキートーンの如くに称したり

 その苦しい音を、あたかも張りのある音…などとするのは牽強付会の極みで(笑)

 『ヴァイオリンは正しい音程の[壺]で奏でると、美しい音が朗々と響く』のです。

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以上のように

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭だけでも、これだけ確認ポイントがあるというより

 『マスネ/タイスの瞑想曲』冒頭に限定し、更にその確認ポイントも既述に限っても

 踏まえる点がここまである程、ヴァイオリンには長年の叡智が多数存在します。

ですから

 ヴァイオリンの長年の叡智を知る者であれば、走馬看花に弾き通すことなく

 ヴァイオリンは長年の叡智を学び踏まえつつ、慎始敬終に一音いちおん確実

 糸を織り重ねるように音を響かせ復習い奏でる楽器なのです

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であればこそ私は

 趣味で習う一般の方だけでなく、専門家を目指す方や

 音大生 演奏者 指導者の方へのレッスンにおいても

 ヴァイオリンは音程の[壺]を探すことで正しい音程で弾けることや

 ヴァイオリンは正しい音程で弾くと、美しい音が朗々と響くことに加え

 ヴァイオリンの名の数々を、正しい音程美しい音奏でること

 引き出されるヴァイオリン本来の魅力と素晴らしさを、今後もレッスン

 一人でも多くの方に伝え続けていきたいと思っています

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 音程の[壺](つぼ ツボ)