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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
私は後述の理由から、オイストラフの録音をよく聴きます。
(このジャケットは、オイストラフが急逝した際の追悼盤のLPのもの)
ハイフェッツはこう弾いていて
(上段:Original
下段:Rev.L.Auer)
(従来の表紙)
(現在の表紙 表紙のデザインが異なるだけで、中身は同じです)
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の譜面として、既掲のように
オリジナルとアウアー版を併記した楽譜は他にも出版されてはいますが、
通常の運指や運弓のみならず、弓のどの箇所でどのように弾くのか等が書かれている
ロスタル先生の校訂譜は、誰もが参照すべき楽譜だと言えます。
(この凡例は、ロスタル版のチャイコフスキーの楽譜に掲載されています)
(この凡例は、ロスタル版の別の楽譜からのものです)
(レオポルト・アウアー 1845年6月7日 - 1930年7月15日)
そうしたなか
この協奏曲は、アウアー先生に相談せずに作曲して献呈したことから
チャイコフスキーがこの曲の初演をアウアー先生に依頼するも、「演奏不可能」と
断られ、代わりに初演したブロツキーが、この作品に対する酷評にもめげずに
その後もこの曲を演奏し続けたことから、初演を断ったアウアー先生もやがては
(ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 1840年5月7日 - 1893年11月6日)
けれども
気づいてみれば、アウアー先生の高弟として知られたシフェルブラット先生が
鷲見四郎先生を指導し、その指導法を見ていて名教師となった鷲見三郎先生
その両先生に師事した私からすると、アウアー先生がチャイコフスキーの
ヴァイオリン協奏曲の初演を断ったのは、相談も無しに作曲したからというような
面子の問題などでは決してないと感じています。
というのは
既掲のようにヴァイオリンという楽器の特性を活かせていない部分について
アウアー先生は各種の改訂を施していますが、それはあくまで表面的なことで、
既掲以外でもヴァイオリンという楽器の特性を無視というより知らなかった箇所が
そのような箇所は、きちんとした説明とともに、では如何に演奏すべきか?という
ことを踏まえたレッスンにより、ヴァイオリンの演奏技術の安定と、ヴァイオリン
ならではの魅力を両立させつつ、チャイコフスキーの作品の素晴らしさを表現できる
ようにしなければなりません。
特に最近のヴァイオリニスト達の演奏では、神童や天才と評されたり、なかには
世界的な演奏者として知られた人であっても、必ずしもそうしたことを踏まえて
ということで
そのような箇所については、レッスンでその総てを説明していますが、ここでその
総てを掲げると、あまりにも大量の説明が必要になるので、恐らくはアウアー先生も
その譜面をみて最初に「おいおい…」と突っ込みを入れたであろう(笑)最初の
決定的な箇所についてのみ、具体的に書いてみたいと思います。
それは
第一楽章で、独奏ヴァイオリンはまず単音で主題を奏で
その次には、クロマチック進行で盛り上がった先で、重音で主題を奏でますが
具体的には
の部分は音程としては
ただ単に半音階で音を並べていくのでもなければ
ただ単に♯は高く、♭は低くということで音程を取っていくのでもなく
その到達点で現れるのが
だからです。
ここで
何が問題なのか気づいた方は、もうその時点で正しいヴァイオリンの音程の取り方が
よくわかっている方てすが、残念ながら必ずしもそうではない人の方が多いが故に
既述のアウアー先生が「演奏不可能」と言われたのは面子の問題というような誤解が
生じてしまったのだと思います。
それでは
何が問題なのかを具体的に説明すると
このことから
いよいよ盛り上がったぞ!それ~!!というところで
独奏ヴァイオリンが既出の主題をもう一度“豪華絢爛”に弾く箇所として
最初の主題提示の1オクターブ上で、単音として「華麗」に弾くためには
赤い矢印で示した音程で取って弾きたいのに
と書いたものの
冒頭既述のようにロスタル先生の版を知らず学んでおらず…どころではなく
あろうことか最近ではこうしたヴァイオリンの正しい音程の取り方すら学んでいない
例えば上掲の「華麗」と「綺麗」が両立しない箇所に対しては、その問題をただ単に
[重音](和音)と[単音](旋律)の音程の違いの指摘に終わらせるのではなく、
『大体不適? 音程の取り方も知らずにバッハ/無伴奏を弾く無謀さ』でも書いた
実際の演奏でその問題をどのように対処し解決するのか?という指導をしています。
そして
私の所にレッスンを受けに来られている音大生(音楽大学生)、演奏者(プロ奏者)
指導者(ヴァイオリンの先生)の方まで「そういうことを教えてもらったことが
なかった」と異口同音に言うのは、決して不勉強からではなく、上記のようなことを
教えてくれる先生が居なかったことが、そのような状況を生んでしまっているのだと
思います。
そうしたなかで
ヴァイオリン本来の奏法を学び、演奏技術の安定を目指しつつ、単に
[重音](和音)と
[単音](旋律)の音程の違いにとどまらない実践的な問題解決法を習得し、
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カテゴリ: 音程の[壺](つぼ ツボ)