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イワモト ヴァイオリン教室のブログへようこそ。
イワモト ヴァイオリン教室では
「正しい音程」 (正確な音程)
「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
基礎的な演奏技術を大切に指導し
一音いちおん丁寧に
各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています。
理由は
私のプロフィールにも書いたように
幼少の頃からクラシック音楽のレコードに親しんでいたから…というよりも
もう殆ど連日クラシック音楽のレコードばかりを聴いていて、それ以外を聴く時間が
一切無い…という状態を半世紀以上も送ってしまったからです。
さらに
今であればネットなどで色々な演奏者の演奏が手軽に聞けるものの
私が子どもの頃は、多くの評論家が認める演奏のみがレコードとして販売されていて
演奏会でも、今では伝説として語り継がれている巨匠のコンサートばかりでしたので
その結果
ダイヤモンドの真贋を学ぶ際に、本物と偽物を比較するのではなく、非常に優れた
ダイヤモンドだけを見続けると、自ずと偽物がわかるようになるのと同じ効果が
と書くと
クラシック音楽以外は知らないと書いたばかりだろう…と言われそうですが
それは「演歌」であって、ここで私が書いたのは「エンカ」です。
具体的には
『歴史的名教師が知る 歴史的名教師の指導の秘訣 ヴァイオリンにおける
驚異の上達法』でも書いたように
その門弟には現代最高峰のヴァイオリニストのフランク・ペーター・ツィンマーマン
なども居て“オランダのパガニーニ”とも称されたヘルマン・クレッパース先生は、
日本からの留学生がビブラートを掛けると「エンカ!エンカ!」と笑われましたが、
それは決して「演歌」を卑下する意図ではなく、クラシック音楽の演奏としては
クレッパース先生のような才能はない私でさえも、既述のように「演歌」は一切
耳にすることなくクラシック音楽ばかりを聴き続けてきてしまっていることから、
私のように偶々「演歌」を一切聴かずに育ってしまった例を除けば、大抵の日本人は
日常で何気なく「演歌」を耳にし続けて、無意識に「エンカ」ビブラートに陥るほど
「演歌」は日本人のこころのふるさとなのかもしれません。
では
バイオリン(ヴァイオリン)のビブラート(ヴィブラート)の掛け方の説明として
現在の日本ではどのような説明や練習がされているのか、ネット検索してみると、
左指の第一関節の屈伸運動の練習方法を動画で掲げている例もあり、
これについては私のサイトで掲げた
『Basics by Simon Fischer』(サイモン・フィッシャー/ベーシックス)でも
そうした趣旨の説明が展開されています。
また
音楽之友社から日本語訳が出版された
『GOLA VIBRATO for violin』
(ズデニェク・ゴラ/ヴィブラート教本 ヴァイオリンのための)では
やわらかくなめらかな腕の脱力(当該書籍訳文のまま)がなくなるので
左指の第一関節の屈伸運動が必要だから第一関節の屈伸運動をする…といった状況は
[九州らーめん よっちゃん]と同じ状況にあるように思うとともに
柔らかな腕の動きのためにバイオリンの習い始めでビブラート練習…といった説明は
「アイ ラブ ユー」の言い方と同じ説明であるように思いました。
と書いたのでは何のことかわからないと思うので詳しく書くと
[九州らーめん よっちゃん]は、以前の記事に書いた話のことを指しています。
それは
私がパリに勉強に行っていた頃…などと言うと、後輩の一人は「恐竜が居た頃?」と言って笑うのですが(笑)時間が無くて一度入っただけなので一部の展示品しか見られなかったこともあってか、ルーブル美術館でも恐竜は見かけませんでした。というのは冗談としても、短期間ながらオペラ座での仕事もすることになってからは多忙を極めて、時々楽譜を探し回る他はレッスンとオペラ座以外には出歩かない…というより、出歩けない日々を送っていました。
そんなある日
久し振りの休日…ということで、今でこそ和食店も多く本格的なラーメン店も複数有るものの、当時の私が出歩けた範囲では和食店が一軒だけで美味しくなく…などと思いながら歩いていると、パレ・ロワイヤルからオペラ座方向に少し歩いたところで白地に黒い字で[九州らーめん よっちゃん]と書かれた看板が見えたので、面白いと思い入ってみました。すると、地下の店内には巨漢の黒人シェフが居て、恐ろしく訛りのある日本語で「いらっしゃぃ!」と言うので、早速その店の看板商品らしい九州らーめんを注文してみました。
すると
トンコツスープにチャーシューと紅ショウガの乗ったラーメンが出て来た…と思いきや、やや薄暗い地下の店内とはいえ何かが違うような気がしながらも箸で麺を持ち上げながら一口食べた瞬間に「????」と思いました。が、不味いというわけではないので、その驚きを抑えながら食べ進めたところでシェフが再び訛りのある日本語で「美味しいだろう!日本人か?どうだ?」と訊いてくるので、私は「美味しいけれども九州ラーメンではない」という趣旨のことを伝えると「本場の味には敵わない」という類のことを言っているので、私としてはそれ以上話すこともなく、美味しいには美味しいので完食して出て来ました。
美味しいには美味しいものの…とだけ書くと、パリで食べるらーめんなのだから、それ以上のことを要求するのは手厳し過ぎると思われるかもしれませんが、実はそれは本場の味に比べて…などということとは全く次元の違う状況だったのです。というのは、まずトンコツスープ…と思いきや、それはコンソメスープに牛乳を加えたもので、麺はスパゲッティ、チャーシューはローストビーフを薄くスライスしたもの、紅ショウガと思ったのは赤いパプリカの千切りを炒めたもので、見た目は一応それっぽいとはいえ、要するにスープスパゲッティのような食べ物でしかなく、不味くはないとはいえ九州らーめんと称するには無理がある食べ物だったのです。
九州らーめんを作る際に
「白濁した濃厚なスープ」は“結果的に”必須…とはいえ
「白濁した濃厚なスープ」がどのように作られるものなのか
という結果に至る過程も知らずに、結果的に得られた見た目を表面的に真似てみても
九州らーめんは正しく作れないのと同じで
ビブラートを掛ける際に
「第一関節の屈伸運動」は“結果的に”必須…とはいえ
「第一関節の屈伸運動」がどのように齎されるものなのか
という結果に至る導因も知らずに、結果的に得られた見た目を表面的に真似てみても
「アイ ラブ ユー」は
第二次世界大戦の終戦直後にアメリカ兵が日本の酒場にやって来て
アメリカ兵向けに日本人が「私はあなたを擦る、と歌っている(笑)」
といわれていたという話を聞いたことがありますが、これは
「私はあなたが好き」というのを英語では「アイ ラブ ユー」と聞いた歌手が
「アイ ラブ ユー」と歌ってみたものの、rubとloveの発音の違いがわからず
英語を喋る際に
rubとloveの発音の違いがわかっている人に対して
「私はあなたが好き」というのを英語では「アイ ラブ ユー」と教えて大丈夫でも
rubとloveの発音の違いがわかっていない人に対して
「私はあなたが好き」というのを英語では「アイ ラブ ユー」と教えてしまうと
大抵の日本人の発音は「私はあなたを擦る」になってしまうのと同じで
クラシック音楽のヴァイオリン演奏のビブラートがわかっている人に対しては
柔らかく滑らかな腕の動きが必要だからと、習い始めてすぐに練習しても大丈夫でも
クラシック音楽のヴァイオリン演奏のビブラートがわかっていない人に対して
また
既述の『GOLA VIBRATO for violin』における、柔らかく滑らかな動きが必要だから
ヴァイオリンを習い始めてすぐにビブラート練習…という記述は、
それに対して
四郎先生(門弟達は、鷲見四郎先生のことを、今でも尊敬を込めてこうお呼び
します)の処に、既述のクレッパース先生が来日された際のレッスンでは、
ビブラート(ヴィブラート)を笑われる生徒は一人も居ませんでした。
ということは
四郎先生の門下には、私のように幼少期からクラシック音楽以外は一切聴かなかった
生徒だけが集まっていたのか?といえば、決してそのようなことはなく(笑)
ビブラート(ヴィブラート)の正しい練習方法が学ばれていたからに他ならず、その
ビブラート(ヴィブラート)の練習方法こそは、かの歴史的名教師として知られる
レオポルト・アウアーの高弟でいらしたニコライ・シフェルブラット先生が、
アウアー直伝の練習方法として四郎先生に伝えたビブラートの掛け方だったのです。
また
レオポルト・アウアーの高弟のニコライ・シフェルブラット先生が
四郎先生を教えるのをご覧になり、アウアー派直系の奏法を学ばれた
三郎先生(門弟達は、鷲見三郎先生のことを、今でも尊敬を込めてこうお呼び
します)のレッスンでも勿論、そうしたアウアー直伝のビブラートの掛け方が
指導されていました。
ハイフェッツやエルマンや、その他の綺羅星の如くに歴史的名演奏者が居並ぶ
アウアー門下の正しいビブラート(ヴィブラート)の掛け方の練習方法について、
三郎先生の許で基礎から長年学んだヴァイオリニストが、嘗てあるテレビ番組で
というのは勿論冗談で
それ程までの歴史的名教師によるビブラートの練習方法が世に知られない理由は
そのような一つのテレビ番組で説明されたか否かが影響しているのではなく、
『遂に見つけた魔法のエチュード!』で書いたように
ある人が「もしも街中を歩いていて、こちらが気づかないでいても、相手が気づいて
声をかけてくれるのが知り合いというもの」と言っていましたが、音大卒生の多くが
その経歴で「室内楽を●●●●、□□□□、▲▲▲▲に師事」と著名な先生の名前を
列挙してはいるものの、はたして本当に弟子といえるのか?もしかすると知り合いで
つまり
三郎先生も四郎先生も、ヴァイオリンの歴史的名教師として語り継がれているため、
両先生に長期間でなく、講習会や音大等で一定期間習っただけで門弟と称する人達や
さらには、そのようないわば俄か弟子等に一定期間習っただけでその系譜と称す者が
事実
三郎先生や四郎先生に基礎から長年指導を受けた門弟であれば知っている筈の
アウアー派直系のビブラート(ヴィブラート)の練習方法をネット検索してみると、
辛うじて海外に動画が一つ見られるだけですし、国内ではそれについて言及している
書き込みがあるにもかかわらず、周りから全く顧みられていませんでした(笑)
そうしたこともあってか
私のサイトの『音大生 演奏者 指導者の方へのレッスン』のページで書いたように
私の教室には、音大生・音大既卒者の方や、演奏者の方や、指導者の方もレッスンを
受けに来ていますが、その際に既述のアウアー派直系のビブラート(ヴィブラート)
レオポルト・アウアー先生直系のビブラート(ヴィブラート)の練習方法を行うと、
既述のようなセミプロやプロや指導者の方だけでなく一般の学習者の方でさえもが、
腕から掛けるビブラートや、手首から掛けるビブラートが、的確に身に付く以上に、
既述のような「エンカ」でもなければ「擦る」でもない正真正銘のクラシック音楽
そうした点でアウアー先生直系のビブラート(ヴィブラート)の練習方法の威力の
凄まじさを痛感させられるとともに、何しろあれだけの歴史的名演奏者を多数輩出
したアウアー先生はどれほどの名教師だったのかと思うばかりです。
では
そのアウアー先生のビブラート(ヴィブラート)の掛け方の練習方法とは?と
思われる方がいらっしゃるかもしれませんし、私のレッスンでは下掲の紙面のように
わずか一枚のプリントにまとめているので、そのぼかしを取れば済むだけだと思う
方も居るかもしれません。
その練習方法の前提として、チューナーやピアノなどで音程を取るのではなく
響きを聴いて音程を確定するヴァイオリン本来の弾き方が必須…というよりも
そうした観点からの指導によって初めて既述の「エンカ」や「擦る」ではない
クラシック音楽そのものといえるビブラート(ヴィブラート)が修得できるので、
わずか一枚のプリントさえ見れば、その総てが学べるというものではありません。
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カテゴリ: ヴァイオリン上達の指標