ヴァイオリンを感じる――アラビア感と名台詞

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 イワモト ヴァイオリン教室では
 「正しい音程」 (正確音程
 「本格的な音色」(美しい音)でヴァイオリンを弾くための
 基礎的な演奏技術を大切に指導
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 各人の進捗に合わせた課題をレッスンしています

ヴァイオリン 音階 スケール 音程 響き 感覚 レッスン 教室

ヴァイオリンを感じて演奏する

 ヴァイオリン演奏で、どれだけ練習しても音程がずれてしまうことはありませんか?

 そんな時には、“Don't think! Feel.”(考えるな!感じろ)が役立ちます。

 しかしそれは、考えずに感じたままに演奏するという意味ではありません。

 この言葉の本当意味を知ることは、あなたのヴァイオリン演奏において、

 確かな上達のヒントとなるでしょう。

 

驚きの知識対決と名台詞

 もう何十年も前のことですが、都内の別の施設で教えていたある日、急なレッスン

 キャンセルで時間が空いたので、近くの飲食店に入りました。

 そこでは偶々、マニアが知識を競い合うテレビ番組が放送されていて、その日は、

 ブルース・リーに関する知識を競う回でした。

 

 カンフーの「アチョー」という怪鳥音を聴いて、それが何年の、どの映画の収録音か

 を当てるクイズに回答がなされると、不正解のブザーが鳴りました。すると、出演者

 全員が、答えた年は映画の製作年としては不正解だが、その声の部分は別の年に製作

 された映画から引用しているため、答えた年で合っていると指摘し、テレビ局側の

 誤りを訂正する場面を見て、非常に驚いたことを覚えています

 

 そのブルース・リーといえば、“Don't think! Feel.”(考えるな!感じろ)

 という台詞が有名です。これは、1973年の映画『燃えよドラゴン』の中の稽古の

 シーンで、武術の達人であるリーが弟子に向かって言った言葉です

 しかし、考えることは大切なはずの武術で「考えるな!」とは、一体どういうこと

 なのでしょうか。

 

“Don't think! Feel.”の真意

 武術において、その場その場で考えていたら、簡単に相手にやられてしまいます

 考えてから動いたのでは間に合わないため、考えなくても無意識に身体が動くように

 しておくこと必要となります。そのためには、日頃から基本的な動作を何度も

 繰り返し、身体に覚えさせること。この普段の徹底した訓練により、実際の戦いの場

 では、考えることなく無心の状態で挑むことができるのです

 

ヴァイオリンにおける“Don't think! Feel.”

 ヴァイオリン演奏も武術と非常によく似ています。一旦演奏が始まったら、途中で

 考えている暇など一瞬もありません。実際の演奏の場面で、頭で考えることなく

 身体や指が自然に動くように、普段から徹底した訓練を行う必要があるのです

 では、日頃から徹底して行う訓練とは、何をすればよいのでしょうか?

 

ヴァイオリン演奏の訓練とは?

 ヴァイオリン演奏において、「考えるな!感じろ」というと、音程の精度よりも、

 感じるままに演奏することの方が大事と思われるかもしれません。しかし、実際の

 演奏では、考えなくても無意識に正しい音程を取れることが必須条件となります。

 なぜなら、ヴァイオリン演奏の土台は音程にあるからです。考えなくても正しい

 音程を取れるように、日々の練習で徹底して訓練すること必要なのです

 

音階練習におけるアラビア感

 下掲は『Scales by Simon Fischer』から

ヴァイオリン 音階 スケール 音程 響き 感覚 レッスン 教室

 Three-octave scales, arpeggios and chromatic scalesの一部です

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 merodic minor (旋律的短音階

 上行では、第6音と第7音が半音上がる

 下行では、通常のnatural minor(自然的短音階)と同じ

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 harmonic minor(和声的短音階

 第7音が半音上がりますが、上行も下行も同じ

 第6音と第7音の間に増2度がある というのが楽典上の端的な「定義」です

ヴァイオリン 音階 スケール 音程 響き 感覚 レッスン 教室

 しかし、そうした「定義」を踏まえたうえで

 merodic minor (旋律的短音階

 上行がmajor scaleに近く、下行がnatural minorになるため

 オリエンタルな雰囲気は弱い

 harmonic minor(和声的短音階

 第6音と第7音の間の増2度がオリエンタルな雰囲気を強く感じさせる

 という捉え方での「感覚」においては

 アラビア感がさほど無いのがmelodic minor

 アラビア感を強く感じるのがharmonic minorだと言えます。

 

ヴァイオリン正確な「感覚」で演奏するために必要こと

 前のセクションで示した事例のような場合、日頃から徹底して正しい音程を取る訓練

 ができていれば、実際の演奏において

 「第6音が…」「第7音が…」という「定義」を踏まえたうえで、

 「アラビア感が弱い」「強い」という「感覚」で正確演奏することができます。

 これもまさに“Don't think! Feel.”といえるでしょう。

 

 一方で、ヴァイオリン音程の取り方について、徹底した訓練受けいない場合は

 第6音と第7音の間の増2度が醸し出す「アラビア感」も恣意的な「感覚」に頼る

 ことになり、結果として曖昧な演奏に聴こえてしまいます。ヴァイオリンを正確な

 「感覚」で演奏するためには、まずはヴァイオリンの音程の取り方を学ぶ必要が

 あるのです。

 

ヴァイオリンの音程の取り方

 ヴァイオリンの音程の取り方は、300年近い歴史の中で確立されています。

 ヴァイオリンが発する“響き”を感じ取り、その中から最も響く音を選び取るのが

 ヴァイオリン本来の音程の取り方です。そうして選び取った最も響く音が、その音の

 正しい音程となります。ピアノや電子チューナーなどで取った音は、そのような過程

 を経ていないため、ヴァイオリン正確音程とは言い難いものです

 

 それに、ヴァイオリンにおいては、一つの音に対して正しい音程は一つとは限りま

 せん。演奏の際に、複数ある正しい音程の中からどれを選ぶのかという選択が生じ、

 その音程の選択こそが、演奏者の個性や独自の表現を引き出す基盤となるのです

 

 ヴァイオリン正しい音程は、物理的な調和と倍音構造の法則に基づいて決まるもの

 です演奏者が自由に選べるものではないからこそ、正しい音程の取り方を学ぶ必要

 があるのです。もし、物理法則に背いて恣意的な音程演奏したなら、響き不安定

 となり音楽全体の完成度が損なわれてしまいます

 

正しい音程取るためのヒント

 ヴァイオリン正しい音程取るには、まず“響き”を感じ取ること。音の微細な

 凹凸を聴き分ける力が求められます。正しい音程のために、指や手のなどを工夫

 してみるより、まずは“響き”を聴き分ける耳を鍛えることヴァイオリン正確

 音程は、その“響き”の中に必ず正解があるのです

ヴァイオリン 音階 スケール 音程 響き 感覚 レッスン 教室

 

“Don't think! Feel.”への扉

 当教室では、ヴァイオリン演奏の土台となる音程の取り方を徹底して学ぶことができ

 ます。音の“響き”を聴き分けられる耳を鍛えて、ヴァイオリン音程を確かなものに

 しておくことで、本番のステージで正確演奏ができるようになります。

 本物演奏は聴衆を魅了します。

 ぜひあなたも当教室で、“Don't think! Feel.”を手に入れてみませんか?

 

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